読書は良い、とよく耳にします。

知識が増えるとか、
視野が広がるとか、
理由はいろいろあると思います。

僕も、そう思います。

その中で、
日々身体に向き合う仕事を続けている僕が感じているのは、
それほど堅苦しいものではなくて、
もう少しゆるく、やわらかい変化です。


時間の流れがゆっくりになる

本を読んでいるあいだは、
スマホと違って、
他のことを同時に進めるのが少し難しい。

気づけば、あっという間に時間が過ぎている、
そんなことはスマホではよくありますよね。

では、本はどうでしょう。

視線も、姿勢も、呼吸も、
自然とページへ集まっていきます。

読み進めるうちに、
周りの音が少し遠くなり、
自分の輪郭が穏やかになっていく。

内容とは別に、
そんな状態へ入っていく時間そのものが、
心地よくて、好きな瞬間です。


景色が生まれる

文字を追っていると、
いつの間にか頭の中に風景が浮かびます。

登場人物の表情や、
声色、
空気の温度。

監督になった気分で

勝手にキャスティングや演技を想像したりなんかして 笑笑

読みながら、
想像することを自然と繰り返している気がします。

それはきっと、
普段大切にしている
身体のイメージとも遠くない感覚なのだと思います。

以前はビジネス書や実用書を読むことが多くありました。
何かを得ようとする読書です。

最近は、
月に一冊を目安に、物語を選ぶことが増えました。

理由はとても単純で、
感情が動くから。

胸が少し熱くなったり、
ふっと寂しくなったり。

その揺れやコントラストが、
日常のスピードをやさしくゆるめてくれる気がしています。

また、
言葉の選び方や流れに触れていると、
どうしてこの順番なのだろう、
この一文はなぜここにあるのだろうと、
つい考えてしまうこともあります。

伝えることを仕事にしている身として、
自然と惹かれているのかもしれません。

これがレッスンにどう影響しているのかと聞かれると、
正直なところ、まだよく分かりません。

ただ、
僕の中にある感覚の引き出しが、
ほんの少し増えているような、
そんな気はしています。

すぐに形にならなくても、
静かに積み重なっていくもの。

本を読む時間には、
そういう豊かさがあるように思っています。

脇田達也