文部科学省では、子どもの運動発達を支える考え方として
「36の基本動作」 という指標を示しています。
走る、跳ぶ、投げるといった分かりやすい運動だけでなく、
立つ、回る、渡る、押す、引く、支えるなど、
人が生きていく上で欠かせない動きの原型 を整理したものです。
一見すると「子ども向け」の内容に思えるかもしれませんが、
この資料を初めて目にしたとき、僕は強くこう感じました。
これって、大人にもすごく必要な動きじゃないか!?
現代の大人は「動きの幅」が狭くなりやすい
今の僕たちの生活を振り返ってみると、
- 座っている時間が長い
- 動きは前後方向が中心
- 回旋(捻る)・支える・不安定な動きはほとんどしない
そんな傾向が強くなっているのではないでしょうか?
その結果、
- 筋力はあるのに、どこか動きがぎこちない
- 運動はしているのに、疲れやすい
- これといって痛みはないけれど、身体に余裕がない
こんな感覚を持つ方も少なくありません。
これは単なる「筋力が足りない」というより、
「使っている動きが偏っている状態」 と考えることができます。
36の基本動作は「人の動きの設計図」

出典:文部科学省「幼児期における運動遊びの在り方に関する指針(36の基本動作)」より引用
文部科学省が示している36の基本動作は、
大きく次の3つに分けられています。
- 体のバランスをとる動き
(立つ・回る・ぶら下がる・渡る など) - 体を移動させる動き
(歩く・走る・跳ぶ・登る・くぐる など) - 物を操作する動き
(持つ・運ぶ・押す・引く・投げる・蹴る など)
これらはスポーツのための動作というより、
僕たちが子供の頃、遊びながら自然に身につけてきた動きです。
そして実は、ピラティスが大切にしている
- コントロール
- 全身のつながり
- 呼吸と動きの調和 など
こうした要素は、この「基本動作」の考え方ととても相性が良いと思います。
TIGのレッスンと、36の基本動作の関係
TIG PILATES STUDIOで行っている
エンコンパス(ENCOMPASS)などを使ったレッスンも、
この「36の基本動作」の考え方をベースに組み立てています。
特にエンコンパスは、
- 前後・左右・回旋といった多方向の動き
- 支える・押す・引くといった操作動作
- 少し不安定な中でのバランスを調整
これらを自然に引き出してくれるマシンです。
そのためレッスンの中では、
- 立位・膝立ち・仰向け・うつ伏せ
- 重心を移す
- 捻る・方向を変える
- 押す・引く・コントロールする
といった 基本動作の要素が、エクササイズとして含まれています。
もちろん、
「36の基本動作」すべてを、一回のレッスンで行うことはできません。
ですがTIGでは、
「できるだけ動きに偏りをつくらない」
「動きの引き出しを少しずつ増やす」
そんな視点を大切にしながら、
レッスン全体を組み立てています。
スタジオと日常をつなぐために
TIGが目指しているのは、
スタジオの中だけで完結する運動ではありません。
- 日常動作が楽になる
- 家での体の使い方が変わる
- 自分の身体の細かな変化に気づけるようになる
そうした変化につながってこそ、
ピラティスの意味があると考えています。
36の基本動作は、
- スタジオでは「体験としての動き」
- 日常では「自分を振り返るためのヒント」
この二つを繋げてくれる、
分かりやすい共通言語です。
子どものための指標を、大人の身体へ
36の基本動作は、
もともと子どもの運動発達を目的として作られました。
でも見方を変えると、
「僕たち大人が、もう一度思い出したい動き」
とも言えるのではないでしょうか。
TIGでは、この考え方をもとに、
- 簡単なホームエクササイズ
- 日常に取り入れやすい運動習慣
など、月に1回程度、公式ラインで配信しております。
身体は、年齢に関係なく学び直すことができます。
今日の一つの動きが、明日の軽さにつながる。
Today Is a Gift.
そんな視点で、これからも身体と向き合っていきましょう。
参考・引用
・文部科学省
「幼児期における運動遊びの在り方に関する指針(36の基本動作)」
・中村和彦(2011)
『運動神経がよくなる本 ―「バランス」「移動」「操作」で身体は変わる!』