以前、こんな実験を見ました。
複数のメトロノームを、
少し揺れる台の上に置く。
最初はバラバラのリズムを刻んでいるのに、
時間が経つと、
不思議と同じテンポになっていく。
物理学では
「同期現象(Synchronization of Coupled Oscillators)」
と呼ばれるものらしい。
これを見た時、
TIGで起きていることに少し似ているな、
と僕は思いました。
スタジオに来られる会員様から、
よくこんな言葉をいただくのです。
「なんかココって落ち着くんですよね」
「脇田さんって、ゆっくりしてますよね」
でも、
よく聞くと、
ただ“リラックス”しているわけではないようです。
どうやら、
呼吸が深くなるとか、頭の中のノイズが減るとか、ちゃんと動けるとか
そんな感覚に近いみたい。
現代は、
常に速いリズムの中に
閉じ込められています。
止まらないLINEの通知。
終わらないSNS。
減らない仕事。
無くならない考え事。
増え続ける情報。
頭は、
ずっと“目まぐるしいテンポ”で動き続けている。
だから、
無意識のうちに、
呼吸も浅くなるし、
頭も体も硬くなる。
でも、
TIGという空間は、
少しだけテンポが違うのかもしれません。
植物があって、
ハーブの香りが漂って、
柔らかい光が室内を照らす。
その中で、
呼吸を感じながら動く。
僕自身も、
昔から「落ち着いてますね」と言われることが多いのですが、
それは単なる性格というより、
そういう環境で育ち、
そういう空気感を持った両親や家族、
友人やお客様に囲まれてきたからかもしれません。
そして、
その積み重ねが、
今の自分や、
今のTIGの空気感を作っている気がします。
いつも大切にしているのは、
まず“感じる”こと。
すると、
最初は速かった身体や思考のリズムが、
少しずつペースを変えていく。
面白いのは、
これは“止まる”わけではないこと。
むしろ、
余計な力が抜けることで、
ちゃんと動けるって感じ。
ピラティスって、
案外そこなのかもしれません。
「休む」と「動く」の間にある、
ちょうどいいリズムを刻むこと。
忙しい時ほど、
本当に必要なのは、
“刺激”じゃなく、
自分のリズムを取り戻せる場所なのかもしれません。
ゆっくりと、
メトロノームが揃っていくみたいに。
脇田達也